中村明日美子20年展に行く。
私が彼女の漫画を読み始めたのは2008年~2009年ぐらいの頃ですが、それからこんな風に展示になるなんて思いもしなかった。ボーイズラブ作品が有名だしおもしろいんだけど、私は『鶏肉俱楽部』とか、デビュー作の「コーヒー砂糖入り恋する窓辺」や「マー様に捧ぐ」みたいなクィアな描写がある作品が好きです。
展示は原画がメインですが、作者本人のコメントもあって、やはりいろんな紙面で描いている売れっ子というのもあるからか、掲載誌が漫画家・中村明日美子に何を求めているかを考えて描いているなと思いました。
そもそも頭がいいというか、カンがいい人なんだろうなーって感じがした。
私は「同級生」シリーズが覇権を握っている状況は(苦々しいとまではいかないけど)、それは素晴らしい作品だけどそれ以外にも名作があるんだってば、と言いたい気持ちでいっぱいだったので、中村さんがゴシック&ロリータバイブルとKERA!で連載していた漫画とか、白泉社の「楽園」って雑誌のマスコットキャラクターとか、そういうものもフィーチャーされているのはうれしくありました。いや当然なんだけど。
イメージソースとして好きだった本とかが展示されているのが興味深かったです。バロウズとか吉野朔美とか、中村さんが好きだった小説を書き写したノートとか。やっぱりオタクって好きなものをメモするのかな。一般化できないけど私も超好きだった本を写経する行為をやったことがあるので。
三原ミツカズや楠本まき展も求む!

Shinzoneのスリットパンツはまだ買ってない(パンツは特に試着してからでないと買ってはいけないと思っている)というのに、Mame Kurogouchiでニットとバッグ買ってしまった。
10月が始まったばっかりなのにぶっ飛ばしすぎ?
ただ化粧品とかぜんぜん買ってない。基礎化粧品とかで切らした分は買い足すことはあるけど、メイクアップ製品はほとんど買わなくなってしまった。とは言うものの香りのいい入浴剤とかバスオイルとかは欲しいなー。
あれが欲しいとかこれが欲しいとか思えるって幸せですよね。
忘れっぽいのでそう思うことすらできない状態のときにしか気づけない。

ひさしぶりにスーツを着て職場の人と会う。
結局6月から一度も着ていなかったので変な感じがする。
私のようなものが足を踏み入れて申し訳ないと思いながらも、やれることをやっていくしかないんだなーと思った。
Mame KurogouchiとTod’sのコラボ製品のパンプスとShinzoneのパンツが欲しい。

最近買った本。

・少年イン・ザ・フッド(SITE, Ghetto Hollywood, 扶桑社,2020.9.1)
Instagramの@ghettohollywoodが描いている漫画。90’sのサブカル小ネタが多かったりキャラクター自体が別の漫画のパロディだったりする。最近こういう自己言及的なもの多いというか、メタフィクションと言えばいいのか、作中で語られること以上のものがリファレンスされているものが目につく。

・フェミニズムはみんなのもの 情熱の政治学(bell hooks, 堀田碧訳,エトセトラブックス,2020.8.14)
装丁が書店で埋もれてしまう感じで気に入らない。なんか河出書房新社とか最果タヒの詩集とかとりあえず「ああいう系」にしておけばいいや、みたいな。Amazonに書影がありますが、なんで顔じゃだめなの?他社だけど、ルシア・ベルリンの本は著者の写真がドーンと載っている表紙にしたのに?
内容読めばわかるし、ベル・フックス自身の他の著書でも、白人中産階級のフェミニズム(ベティ・フリーダンみたいな)がメインだった場で、ベル・フックスとかオードリー・ロードが色々言ったことを無視しないで都合のいいところだけ切り出して援用するような使い方に思えてしかたない。文脈の無視。

・明日、私は誰かの彼女(をの ひなお,小学館)
サイコミで読むのが嫌というかあまり得意ではないのでKindleで単行本を買った。なんかいろんな服装の再現性は高いし見てて面白いけどどことなくテンポが悪いのと画面が白い(トーンとかベタがない)気がする。歌舞伎町編早く出してください。

あとkindle unlimitedや無料公開のときに「烏に単は似合わない」を読んだんだけど、盛大なネタバレをするのでそれでもいい場合は読み進めてください。








要するに叙述トリックで主人公が無意識のうちに人を傷つけまくっていた的な話です。本物のヒロインである浜木綿という名前の蓮っ葉でお妃候補にはとても思えない女性が幼馴染の「帝」に謎解きをさせて、帝には結婚してくれって言われて、語り手である偽ヒロインあこぎは下男との間の不義の子かつ茶髪でくるくるの巻き髪で、平安時代のパロディである舞台における美的感覚には沿わないらしい。そして浜木綿さんは苦労はしたけど正当性のある血統をお持ちで、とてもそういうふうには思えない、貴族としては型破りな行動ばっかりするけどお嬢様で、洞察力もあって、人も慕ってくれて、身分の高い男も手に入れる。
最近オタク向けに多いよね、こういうの。でもこの本めっちゃ売れてるんですよね。身分制度肯定かつ血縁関係重視&不倫で生まれた子供は性格がねじ曲がっているという偏見をそのまま物語にした感じがあってなんというかとってもモヤモヤしました。
勧善懲悪するなら生まれの話とかしないでほしいというか、「自分は相手よりすべての点で優れている」と思いたい読者のためのサービスですか?と思うような内容だった。

Booksmart(2019)を見たので、最近Netflixで配信が始まったLady Bird(2017)も見ました。
ティモシー・シャラメ演じるKyleのキャラがよかった。いつも本読んでるけど絶対内容わかってないと思う。
Booksmartは2019年が舞台なのでやっぱりそれに見合った価値観のアップデートが行われた良作です。
いろいろ頑張ってるけど人種的多様性についてはまだ努力の余地ありかも。女子二人が冒険するのも、単純なスクールカーストの話にならないのも良いんだけど。でもこれって映画の内容そのものというよりは、アメリカの映画業界の構造そのものの問題かもしれない。
MollyとAmyのコンビはフェミニストなんですが、お互いどういうことが好きなのか違いがあって、フェミニストは一枚岩ではないことが仄めかされていたんじゃないでしょうか。映画内の小ネタは知ってないとわからないっていうことが欠点でもあり良い点でもあるのかな。MollyのほうはRuth Bader Ginsburgの写真を家に飾っていて、連邦最高裁判事に最年少で指名されたいらしい。Amyはどちらかといえば文学が好きで、自分の部屋のドアに” A Room Of One’s Own”と書いた紙を貼っている。言わずもがなヴァージニア・ウルフの「自分ひとりの部屋」を意識している。
こないだまた映画館で見たんだけど、Blu-rayが出たら買います。高校生の頃、「グランド・ブダペスト・ホテル」とか「タイピスト!」とか、「天才スピヴェット」とかを見て、なんていうか山崎まどか的な外国へのほんのりとした憧れを作り出してくれる映画が好きだったから、リアル10代のときにこの映画を視聴していたらどうなっていただろう……。
でも、過去を振り返るよりこの先どんどん新しくて面白い作品に触れることを目指そう。高校生の頃より今のほうがずっと楽しいし。好きな服を買えるし。

母の誕生日だった。あとそういえばALI PROJECTのボーカル宝野アリカ様の誕生日でもある。
小学生の私を狂わせた人と同じ誕生日とかなんだかなーと昔からずっと思っていた。(そんなことは変えられないのでしょうがないのですが)
Psychedelic Insanityがリリースされたときのイベントに行ったのですが彼女が名古屋ってどこの県にある?と言っていたことが衝撃的すぎて後のことをあまり覚えていません。きっと俗世間のことなんて興味ないですよね!
大人になったらドールを買おうと思っていたけど結局まだ買えていない。

人生ゲーム2016年版を家電量販店で購入した。
友人と遊んだら45分くらいで終わってしまった。もっと2時間くらいかからなかったっけ? 6人とかで遊んだら時間がかかるのかな?
人生ゲームのスタート地点で何歳なのかは明確ではないが、コースの中で子供を産むチャンスは3マスだけだった。職業選択するマスにも止まれなくて、フリーターのままでゲームを進めることになった。子供はいない。
ただ、「絶対に止まらないといけないマス」で結婚イベントがある。相手の性別は明確にはされないけど。
というわけで、「これはプロパガンダゲームだ!強制的異性愛(アドリエンヌ・リッチの論文に出てたけどこの用語って別にリッチが作ったわけではなかったような)と家父長制を肯定する価値観を植え付けることを目的に作られている」とか騒いでいました。
タカラトミー的価値観では一番多くお金を持っていた人が勝ちなんだって。
大富豪のローカルルールみたいに闇人生ゲームを作っても面白いかも? でもそれって現実世界?

こうの史代のアイロニカルな表現が無視されていないか気になっています。
「この世界の片隅に」はBLACK LAGOONなどをアニメ化した片淵監督によって素晴らしいアニメになったのは疑うべくもないが、すずの「代用品」に対する態度とか、北條家の人々の無神経な態度とか、こうの史代による漫画だとものすごくわかる(それもかなり微妙な機敏が表現されている)のだけど映画だとどちらかというとストーリーラインと原爆の悲劇性に寄っているというか。もちろん尺に収めるためいろんなメッセージを詰めすぎると取っ散らかるということは頭では理解できるのだ。
気になっているのは、何を取捨選択するかという制作側の意図はどういう風に作られているのか、忖度対象は何なのか。
もっと言うとこういう形になったのも、「正典」(Canon)になるため? と思ったり。
普遍性とはいったい誰のためのものなのか。

歌劇を見ているとやっぱりそれなりに時代に合わせて進化はさせている(つもり)んだよね、とは思う。
退化しているんじゃないかって部分もあるけど。
まだその一座の中で経験を積んだ人間しか主役ができない、というシステムを採用しているだけ東宝の芸能人ありきキャスティングよりいくらかマシに思えます。
私は2012年から2016年ごろが一番多く舞台に行ってましたが大学を経てチケットを確保する気力もなく、最近あんまり行ってません。美輪明宏が元気なうちに卒塔婆小町を観に行っておけばよかった。あと、一番生で見たかったーと思うのはオギーがやった『タランテラ!』(2006年・雪組)と、稲葉くん作・演出の『インフィニティ』(2012年・雪組、宝塚バウホール公演)です。
これらがなんですごいかは割と長くなるので後日話します。
オギーのキーワードは、一生結ばれない、一緒にいると不幸になる二人ですかね。

舞台芸術好きなのに気軽に見に行けないものになってきているのでテンションが下がっています。19日の望海風斗のコンサート実況でちょっと持ち直した感じはあるけど。
というわけでブルーレイやDVDを視聴する環境を整えるために機器を物色中。あと炊飯器がないので、何がいいのか探してます。
あんまり関係ないのですが最近久々に同人誌を買って、水上文さんの「永遠だ、海と溶け合う太陽だ。 特集女と人生」と山本白湯さんの「かわいい女まとめ」の二つを選びました。趣味が合う人募集中です。
山本白湯さん、商業誌で見たいなー。「濃紫の葡萄」の二人が特にお気に入りです。

望海風斗卒業コンサートの中継を見た。
やっぱり斎藤吉正とは相性が合わない。悪乗りする男ヲタそのものって感じ。
あと個人的に軍服っぽい服が全然好きじゃないんだけど、サイトーは割とそのへんの倫理観がすこーんと抜けているところがあってそこも嫌だった。SSっぽい衣装とかさ……。

だけどTwitterで実況してる(比較的)若い宝塚ファンが「セトリが婆向け」という意見にもうなずけない。
なぜならお金をメインで使ってきた層や、経済力があるファンとか、数十年レベルで応援してきたファンに対して忖度するのは宝塚歌劇団にとっては当然だろうし、そもそもインターネットで発信してる層よりもっとコアな人(オフラインでのファン活動、それぞれのタカラジェンヌのファンクラブの会員たちのほうがまだまだメインだと思います)を喜ばせるのがメインのお祭り騒ぎみたいなものだ。特に退団前のコンサートなんて、少なくとも、本当に最小でも、一公演30万円くらいはつかうようなファンが喜べばそれでいいのであって、Twitterで「推しの顔がよい」と言っているファンは目には入るけど、お金にならないのならさ……。
オギー×だいもんだったらどうだろうなあ、と思わなくもないのですが。
しかし、だいもんが天海祐希さんが演じたビルの曲(ミーマイ)をやったのはすごくよかったですね。
白服補正(退団者は全身白で入りをしたり、退団っぽいシーンでは白い衣装を着たりする)がないと言えば嘘になりますね。
あと「私が躍る時」でだいもんトートとまあやシシィが見られたのもとりあえずやりたいことをやった感はある。
そして白服→ピンク(花組の組カラー)で雪組子が登場するのも、だいもんがピンク色のスーツ着てるのも。髪色も若干ピンク色っぽい金髪になってた。
でもさー、客席のペンライトが緑(雪組の組カラー)なんだよ。こういうちぐはぐなところ気になる。
加えてセットリストに対して何か言うとしたら昭和歌謡コンサートになってることに対する文句というより、「タカラジェンヌ辞めたら宝塚歌劇団の歌を殆ど歌わなくなるのに、なんでポップソングばっかり歌わせるの?」という疑問のほうが大きい。座付きの人たちが芝居のために書いた曲なんて他のカンパニーにはないし、ちゃんと宝塚歌劇団の歌を歌えよという気持ちでいっぱい。まあサイトーはそういう選曲ばっかりして、昔からDVDも曲差し替え祭りだし。映像に残せないなくなるなら使わないでほしい。
「ひとかけらの勇気」(スカーレット・ピンパーネル)、「かわらぬ思い」(ブラック・ジャック)とザ・レビューⅢの歌を歌ってたけど、3曲のうち1つは海外ミュだし……。
ブラック・ジャックの歌を歌ってたときに改めて思った。やっぱりこの人は花組で育った人だ。

一幕中盤と、二幕冒頭の悪ふざけパートはファン向けのお遊びなのでノーコメント。
なぎしょ(彩凪翔)の歌が若干うまくなってて歌詞が何言ってるかわかるようになった気がする。それとも自分の耳が慣れたのか?リスニング能力の向上?劇レス通ったのかな……。
まあやは歌がうまいですよね(他に言うことないのか)。結構彼女の演技も好きだけど今回はコンサートだから。
あゆみねーさん(沙月愛奈)さんが、娘1.5くらいの目立ち方でよかった。