写真撮影をするモデルの笑顔とか、容赦なくばしゃばしゃと音を立てるカメラとか、ギラギラの照明とか、そうしたものを見ていると自分が本当にここにいるのかどうかわからなくなる。

カメラがシャッターを押すたびに
からっぽになってゆく気がする
いつも叫びたくなるのを
必死で抑えているのよ
いつかあたしは叫び出すだろう
その前に……ああ…なんとかしなくては…
(「ヘルタースケルター」岡崎京子、祥伝社)

私はただのセットの外側のオブザーバーでしかないけど、被写体として活動する人は、写真撮影現場の真っただ中で自分の容姿をオブジェクトとして撮影されてゆく。ぶつぎりの音と強い光によって、なんだか自己の統合したイメージを分割されている作業の途中みたいに思う。Twitterとかで、よく素人が「被写体」活動していますなんて言うけれど、自己イメージを写真家が作品としたものから取り返すのってものすごく大変な作業だと思う。まあでもカメラマンごっことモデルごっこという壮大な枠組みのなかで、TwitterやInstagramを用いてリアルままごとしているだけなのだろう。(断定的すぎ?)

 相変わらずMelanie Martinezの曲を聴いている。あと中島みゆき。

Oh Mrs. Potato Head, tell me
Is it true that pain is beauty?
Does a new face come with a warranty?
Will a pretty face make it better?
Oh Mr. Potato Head, tell me
How did you afford her surgery?
Do you swear you’ll stay forever?
Even if her face don’t stay together
Even if her face don’t stay together
(Mrs. Potato Head, Melanie Martinez)

Mr.ポテトヘッドって愛妻家のキャラクター?でしたね。顔のパーツがしょっちゅうバラバラに散らばるおもちゃを、整形手術になぞらえるワーディングと同時に叶えているのは面白いなと思う。あと、独特の引きずるようなリズムなのにふわふわしたパステルカラーがぴったりなところ。バランス感覚に優れているアーティストだと思う。

 より多くの人へ届く価値ある情報って何?ということを日々考えていると、別に趣味で書かなくてもよいのではないかという気がしてきます。でもこれはこれで趣味なので続けないと……と思います。誰に読ませるでもないというか、もちろん世に出すだけどういう内容は書かないでおくべきかは考えますが、それ以外の領域を自分に残しておくということが大事だということです。しかしこれもいつまで続くか……。