関西人の描写についていろいろ思うことがあるというか、「方言キャラ」というものの登場の仕方は、標準語とされる言葉を話す地域にむけて書かれたものなんだろうと思うことがある。多くの場合「関西弁キャラ」はストレンジャーであり、転校生であり、他と違う特徴をもるキャラクターである。そうしたキャラクターとして描かれる作品を見るたび、自分たちが話す言語が方言と呼ばれ、関東弁だらけのキャラクターの中で際立ってみえるのねと考えてしまう。女児向けアニメでいえば『おジャ魔女どれみシリーズ』の妹尾あいこ(関西弁を話し、両親は離婚している)が真っ先に思い浮かぶ。『名探偵コナン』の服部平次は「西の」高校生探偵として名をはせ、『あずまんが大王』の春日歩に至っては「大阪さん」というあだ名兼キャラクター名で呼ばれる。(彼女は神戸と和歌山で育ったにもかかわらず、とりあえず大阪さんと呼ばれている)「ポケットモンスター 金・銀」のコガネシティにはアカネというジムリーダーがいて大阪弁のような方言を話す。
なんというか、スタンダードが東京近郊で話される言葉で、それ以外のアクセントで話す人は「他者」だということが物語の中で当然のように展開していることに無自覚である(あり続けることができる)人は本当に幸せだということです。