国会図書館に行って過去の雑誌を漁りたい!
 最近は近所の公立図書館を利用していますが、幻文者がいるのか、国書刊行会の書物の王国シリーズやらバベルの図書館シリーズが開架で棚におさまっています。ありがたい話だ。なので、1冊ずつ借りて読んでいる。木地雅映子の書籍もなぜか全部あるし。「マリみて」は途中で止まっているけど……。取り寄せてもらわないといけないな。
 柚木麻子の『BUTTER』(2017年、新潮社)も、ずーっと気になってはいたので読んでみた。結構わかりやすくモチーフが配置されて話が進むので面白い。梶井真奈子に指示されるがままにバターを食べたり料理をしたりして太っていく主人公。思考も操られつつあるのを、親友が止めてくれる。「カジマナ」の理想とする食生活って、消化器から血管の至るところ、脳にまで脂肪が詰まって黄色くなりそうでげんなりしながら読んだ。
 ドラマとかになれば、とは思うけど実際の被害者がいる話がモデルなのをメディアミックスすることはできませんよね……。『ナイルパーチの女子会』なんかは映像化されるみたいだけど。エンタメ小説も好きだけど、わかりやすく話が進んでいく感じが気持ち良くもあり、わかりやすすぎると思うこともあり、で自分わがままだなと思う。単純に「おもしろいもの」を求めて読むとよいのかな。
 ただ、エンタメだと思って読んでいると思いもしない「歪み」みたいなものに面して心臓が抜け落ちるような気持ちになることもあるので、いろんな出会いをしたいとは思います。

 「ごきげんよう」
 「ごきげんよう」
 さわやかな朝の挨拶が、澄みきった青空にこだまする。
 マリア様のお庭に集う乙女たちが、今日も天使のような無垢な笑顔で、背の高い門をくぐり抜けていく。
 汚れを知らない心身を包むのは、深い色の制服。
 スカートのプリーツは乱さないように、白いセーラーカラーは翻らせないように、ゆっくりと歩くのがここでのたしなみ。もちろん、遅刻ギリギリで走り去るなどといった、はしたない生徒など存在していようはずもない。
 私立リリアン女学園。
 明治三十四年創立のこの学園は、もとは華族の令嬢のためにつくられたという、伝統あるカトリック系お嬢様校である。
 東京都下。武蔵野の面影を未だに残している緑の多いこの地区で、神に見守られ、幼稚舎から大学までの一環教育が受けられる乙女の園。(「マリア様がみてる」今野緒雪,1998年5月10日,集英社コバルト文庫)

↑死んだらこれ墓標に刻んでください。それか戒名(??)にする。
 昔アニメは見ていたのだけど、きちんと読み直しているとなかなか来るものがある。
 紅薔薇さま(ロサ・キネンシスと読む)、白薔薇さま(ロサ・ギガンティア)、黄薔薇さま(ロサ・フェティダ)とか、何やら面倒な呼び名だなあと思いながら視聴していましたが、やっぱり本のほうが物語がきちんと理解できますね。アニメは、ランティスが関わっているからか片倉三起也が音楽にかかわっているので、耳慣れたメロディーが心地よかった覚えがあります。あと、小笠原祥子さまの声がいい。姫宮アンシーも落ち着いた話し方だけど、ああいう感じの声が好きなのかも。まさに高貴なお嬢様という感じです。
 アニメは尺の都合上、いろんなエピソードが削られていて、原作ファンが「これを映像で見たい」と思うであろうものを映像化して繋げているような感じがするんだよね。丁寧に作られているのはわかるけど。
 リリアン女学園にはスール制度というものがあり、紅薔薇さま(ロサ・キネンシス)の妹は紅薔薇のつぼみ(ロサ・キネンシス・アン・ブトゥン)と呼ばれ、いずれ次代の紅薔薇さまになるという(黄・白も同じく)制度があります。要するに彼女たちは生徒会なので、選挙で選ばれて正式に跡目を継ぐわけです。
 キラキラしたお嬢様のエスもの、百合ものといえばそう。
 でもリリアン女学園の実態は結構体育会系。お姉さまのいうことに絶対服従だし、姉と妹という関係や役割を引継ぎしていくというやり方も、ほぼ極道じゃないですか?! 反社のことよく知らないのでイメージで話してるけど……。いま37巻のうち3巻までしか読んでいないのですが2月か3月上旬までには全巻読破して、31巻の祥子さまの卒業まで味わうのが目標です。